持久走はコツが大切
長い距離を走る場合には、ちょっとしたフォームや呼吸法の差が積み重なり、体力の消耗度に大きな違いをもたらすことになります。そのため、ポイントを押さえ ておくことによって、タイムを短縮することが可能なのです。
いくら体力に自信があっても、フォームが間違っていれば持久走の結果は出すことが困難です。長距離走の走り方は100m走とはまったく異なります。まずはそれを 意識するところから始まります。
苦手意識を持っている方を見ると、体力不足だけではなく、走り方に問題があるために消耗が激しく、苦しい思いをしていることが多くあります。だからこそ、ま ずはきちんとした走り方を身に付けてください。
持久走のフォーム
脚を上手に使うことが、力を無駄にせずに走るために大切です。そのためには、まず着地の仕方から学んでいきましょう。かかとから地面に付け、そのまま体重を 移動させていき、最後にはつま先で地面から離れます。一連の流れの中で、強い衝撃が加わらないようにしてください。
長距離走の場合、激しく地面を蹴りながら進んでいたのでは体がもちません。そのため、体が前進する勢いを消すことなく、上手に力を利用することがコツとなる のです。
腕の振りはそれほど意識しなくてよいでしょう。横に振れていないかどうかを確認するだけにとどめて、後は自然な範囲で動かしてください。短距離走のように強 く大きく振る必要はありません。持久走においては、腕の振りは小さくてかまいません。
また、まれに肩をいからせて走っている方がいますが、力を入れた状態では柔らかい走り方ができません。持久走において体力の消耗を抑えるためには、体から力 を抜いておきましょう。スタートの前に軽くジャンプをしたり、手足をぶらぶら振っておくのも有効です。また、肩から力が抜けているかどうかをチェックしておくのも有効 です。
持久走の呼吸法
基本的な呼吸法としては、2度吸って2度吐く方法があります。息を吸う時も吐く時も、短くしておくことが重要です。呼吸は長々としないようにしてください。
最初は長距離走のための呼吸法ができているのに、疲れてくると普段の息の吸い方に戻ってしまっていることもありますが、これでは意味がありません。苦しくな ってきた時ほど、意識的に正しい呼吸法を心がけてください。
正しい呼吸法を実践するということは、走るために必要な酸素を効率よく取り込むことになります。特に短く息を吐くことを意識して、その反動で吸うイメージを 持つとよいでしょう。
体育の持久走
体育の授業で走る場合には、コツがあります。自分の体力を熟知していないことが多いため、ペース配分がうまくいかない場合が多いため、その点を上手に調節しておくこ とによって、タイムは短縮できるのです。
一般に持久走のペースは一定速度を保つのがよいとされていますが、そもそも平均的なスピードをどの程度に設定すればベストであるかが分からないのです。そして、多く は慎重であるために体力を温存しすぎる傾向にあります。それなら、あえて早めの速度で走り始め、後半に入ってから残った力と相談してペースを調整すればよいのです。
スタートで極端にダッシュをかける必要はありませんが、適度と考えられるスピードより一段階早める程度を目安にするとよいでしょう。体育の場合には、個人的にジョギ ングをする場合のように、疲れたら休憩を取るわけにはいきませんので、走り終えなくてはならないという特徴があります。しかし、それを恐れすぎて臆病になってしまうと 、結果が出なくなってしまいますので、バランスを取る必要があります。
同級生も一緒に走っているわけですので、体育の場合には平均値や速めに走っている人のスピードを見ながら走ることができます。自分の持久走におけるレベルを考えてお くと、自然にペースを作れます。調度良いと思える速度よりも速めに走っておけば、無駄な余力を残すことを防げます。
スタート前の持久走の準備
走り始める前に体を十分に温めておかないと、怪我の原因になるだけではなく、タイムが落ちることにもなります。ここで関わってくるのがデッドポイントやデッドゾーン と呼ばれるものです。
デッドポイントとは、走り始めてから心肺機能が運動に十分に適応しきれず、いったん酸素が不足する状態になることです。デッドポイントの時間帯は長距離走の中でも苦 しい時間帯に当たります。ウォームアップが不十分だと、デッドポイントに陥りやすく、長引きやすい傾向にあるのです。そのため、苦痛が強くなることになります。
ウォームアップを十分にしておくことは体力の浪費のように思えるかもしれませんが、体を運動に適した状態にしておくことによって、苦しくなるのを防ぐことになります ので、結果的には楽に走りきるために役立つのです。
なお、デッドポイントを超えると体が軽くなったように感じ、楽に走れるようになります。この状態をセカンドウィンドと呼びます。セカンドウィンドの状態になると苦し かった状態から爽快に走れるようになるため、経験すると持久走が好きになることもあります。
持久走は辛いものとして敬遠されがちですが、セカンドウィンドになると軽快に走ることができるようになり、充実感を得ることができます。セカンドウィンドを経験する ためには、デッドポイントになってもスピードを落とさずに走り続けることが必要です。
ジョギングを持久走のトレーニングに
体育や部活で走りこむような場合には、体を追い込むことによって身体能力を向上させることが多くなります。そのため、苦しさに耐えながら走らなくてはならず、走るこ とに苦手意識を持ってしまうことが少なくありません。
そこで、心地よく走る練習をしてみてはいかがでしょうか。辛くなるまで徹底的に走るのではなく、気分よく走るためにジョギングを行うことで、心肺機能の強化を図るこ とができます。トレーニングの効果も見込めます。
ただし、ジョギングと本格的なトレーニングを比較すると、後者のほうが効果的であることは当然です。あくまで、何もしないよりは運動機能の向上や健康効果が期待でき るという範囲にとどまります。体のために走るというのなら、ジョギングのレベルでも十分でしょう。